2017年3月6日月曜日

九州 グルメで大自然なドライブ登山旅

2016年のお盆は九州で旅をしていました。

美味しいものをたくさん食べて、雄大で美しい景色を楽しみ、3日間の山籠り。九州を遊び尽くす素晴らしい旅となりました!

1日目(8/13) 東京→広島→博多


まずは新幹線で都内を脱出します。「広島?九州に行くんじゃないの?」と思う方もいると思います。広島で降りる理由は、広島在住のmona氏と共に今回の九州旅をするから。

久しぶりの新幹線利用のため乗車に手間取って到着が遅くなってしまいました。しかし、彼は愛車とともに颯爽と現れ無事合流。
ここから7泊8日 九州夏の旅がスタート!

まずは広島から博多まで300km弱の高速道路移動です。再会を果たしたmonaと車内で語らう。話に花を咲かせながら西へ、西へと進んでいきます。

私にとって九州はほぼ未踏の地。大学時代に自転車で北海道・本州縦断をしていた際に一度訪れました。その時は、旅の西の終着点として小倉へ行ったのみ。
(そして当時、同じく自転車乗りの先輩と合流。九州まで来た私と、これから九州ツーリングをする先輩とエールを交わした懐かしい土地でもある)

そんな本州・下関と九州を繋ぐ関門海峡ですが、この日は「関門海峡花火大会」が開かれるそう。夜になれば大渋滞は必至。なんとか渋滞前に橋を渡れて良かった。

そのあとも高速道路で移動。こうして初日の目的地・博多に到着!
チェックインして荷物を置いたら、夜の博多へ繰り出します。


博多のもつ鍋!うまい!
ホルモンってちょっと苦手だったけど、これは柔らかい食感なのに食べごたえもあって本当に美味しかった。もう東京のモツは食べられないかも...


雑炊も美味しい。今日は長距離移動でちょっと疲れた。でも、美味しいものを食べればあっという間に回復。
ふだん1人旅をしていると、食に対する興味が薄く、優先順位が下がってしまいます。
けれど今回は、monaが美味しいお店をたくさん選んでくれたので、とてもグルメな旅です。


お店を出て、夜の博多の街を散歩します。露店が並んでいたり座敷船が走っていたり...
九州というと暑いイメージがありますが、夜は思ったより暑くないなー 海が近いから?



市内の観光情報は調べていなかった(あと酔っ払っててよく憶えていない笑)けど、普通に観光するのも楽しそうな街です。普通の人はそっちがメインかな。


博多ラーメンで〆。
もっとコッテリした味かと思っていましたが、意外なくらいアサッリ系。
美味しいものをたらふく食べて、明日からが楽しみになる、大満足の1日目でした!


2日目(8/14) 博多→佐世保→別府


今日から2日間はドライブDay!九州の気になっていた地点を繋いで、ツーリングを楽しみます。
まずは佐賀県唐津の「虹の松原」。
塩害から田んぼを守るために植えられた約100万本の松林。美しい道です。
全長約4.5kmの「二里の松原」が転じて「虹」になったとか。


伊万里焼で有名な伊万里市を抜ける。海岸線を走りながら平戸島へ。



島と言っても面積は広く、九州本土と数百mの橋で繋がっています。この島にはフランシスコ・ザビエル記念聖堂や、オランダ・イギリスとの貿易に関する資料館があります。見どころ多そう。

そういった場所に立ち寄るのも良かったのですが、今回は(も)急ぐ旅。次に訪れた際の楽しみにとっておくことにします。


なんかいい雰囲気!
平戸島の川内峠は、思ってた以上に開放的で気持ちの良い場所です。


頂上付近に広めの駐車場があります。そこから100mほど歩くと頂上に到着。
近所にあったら通っちゃうなぁ!


「ながさきサンセットロード」で海岸線ドライブを楽しむ。
さぁ、今日1番行きたかった場所、生月島へ!


この島も平戸島から橋を渡ってクルマで行くことができます。ただしこちらは目立った観光地があるわけでもなく小さくて平穏な島です。


しかし、東シナ海を望む「生月農免農道」の景色は絶品!
またひとつ、お気に入りの道を見つけてしまった...


ちょっと遠いですが、九州に来た際は是非この道を走ってほしい!
自信を持ってお薦めできる絶景ロードです。


いい景色と暖かい日差し。ちょっとだけ休憩...
時間が経つのを忘れてしまう。


島の先端には灯台があります。展望台からは五島列島が見えました。

海風が吹いてちょっと涼しい。目の前には美しい東シナ海。
つい先週は青森にいたのにずいぶん遠いところにきたなぁと不思議な感覚。

暫し海を眺めて心浸ったあと、午前中とは一転、東へ移動を開始します。


今日のお昼はアレ!というわけで佐世保へ!
佐世保といえば軍港の街。海上自衛隊の護衛艦が見えます。

お店は人気店ということもあり大勢の人が順番待ちをしていました。順番になったら電話をくれるということなので、近くの海上自衛隊 佐世保資料館へ。


館内は撮影禁止ですが、旧日本海軍時代の魚雷や写真など1000点以上の資料が展示されています。海軍から自衛隊へ、現在までの歴史を学ぶこともできました。

電話が鳴ったのでお店に戻ります。


ハンバーガーショップ・ヒカリの佐世保バーガー!デカイ!うまい!
塩の効いた分厚く柔らかい豚肉とバンズの組み合わせが最高すぎる...

朝からたくさん走って消費したカロリーを一気に補充。至福の時。
今回は本当に美味しい旅です。

1個食べただけで満腹ですが、「もう一軒、美味しいバーガー屋あるよ!」とmonaの囁き。
マジか。食いたい。でも腹いっぱい...
それはふたりとも同じだったので、もう一軒はテイクアウトにして夜に食べることにしました。なんて罪深い...


佐世保バーガー ビッグマンの黒豚バーガー!(ちょっと潰れてしまった)
塩コショウで味付けしたステーキ肉の破壊力といったら...
こちらは夜中に美味しくいただきました。


さて、佐世保から今日の宿がある別府へ向かいます。高速道路に乗る前にも道端に教会が。
kこういった建物はふだんあまり目にしないのでつい見ちゃいます。


今日の宿はここ!リーズナブルで雰囲気のある温泉付きの民宿。4人部屋を2人で使えてラッキーでした。



間取りや家具は老舗といった感じですが、内装は綺麗で快適。地元の人が利用する共同温泉としての顔もあるようです。


別府に来たからには湯巡りをしなければ!ということで市内散策。いろいろなお湯に入ってリフレッシュ、明日のドライブに備えて就寝します。


3日目(8/15) 別府→阿蘇→鹿児島


関東や東北がトリプル台風の直撃を受ける中、九州はいたって穏やかな天候。GWも荒天とは無縁だったし、長期休暇が天気に恵まれて本当にラッキーです。


今日は九州ドライブのハイライト・阿蘇へ向かいます。でも素晴らしいのは阿蘇だけではありません。この由布岳を望む県道11号も静かで開放的ないい道。
由布岳も綺麗な山で、次は登りたいなぁと思っています。


狭霧台(さぎりだい)より。名前の通り霧が出やすく、幻想的な光景が見られるとか。自分たちも朝霧を狙って撮影できたら良かったかな。
そんな素晴らしい場所ですが、ここらへんから阿蘇にかけては、今年の4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた場所。


狭霧台の駐車場もブルーシートで覆われ閉鎖状態です。道路も工事をしている場所があります。
そういった自然の恐ろしさと、自然の素晴らしい風景、その両方を感じながら阿蘇へ。


やまなみハイウェイ!すごい、高速道路みたいにまっすぐ道が続いてる!
ちょっと窓を開けて午前中の空気感を楽しみます。


ずーっとまっすぐな、でも退屈するどころかワクワクする道が続きます。
だんだん視界が開けてきました。


素晴らしい...!
これだからドライブやツーリングはやめられない。

最高!


やまなみハイウェイから、阿蘇ミルクロードへ!
圧倒的スケール感!こんな場所が現実にあるんだなぁ...



一度は行ってみたかった、阿蘇。
絶賛されるのがよく分かります。

実際に訪れることができて良かった!


恒例の、嬉しさを表現するジャンプ!笑


阿蘇カルデラ内の広大な水田。外輪山は東西18km、南北25kmにもなるそう。広い。


険しい風景の場所もありますが、道路はとっても走りやすい。勾配もほとんどなく、自転車やバイクも多く走ってます。九州ツーリングでは定番中の定番でしょう!


 阿蘇の良さをたっぷり満喫!素晴らしかった!

しかし、一本脇道に入ると次のような光景があるわけで...



震災から4ヶ月経っても、こういった状況。このような壊滅的な被害が出る自然のパワーを実際に自分の目で見ると、写真や文字情報以上のリアリティがあります。
この感情、なんといったらいいかな...


今日のお昼は「奥阿蘇田楽」で頂く。
このお店、とっても心地よい雰囲気です。


串焼きを注文すると目の前の囲炉裏で焼いてくれます。旅の中で、こういう温かみがホッとする。


阿蘇で食べる田舎料理、日本人で良かったなぁ。
美味しくて心落ち着く素晴らしいお店でした。次に阿蘇を訪れるときもまた来たいです。

お昼を終えたら鹿児島を目指して南下していきます。
国道265号が思った以上に酷道だったり、時間に余裕がなく、霧島山やえびの高原を素通りということもあったけど、無事に到着することができました。


観覧車が迎えてくれる。鹿児島に来たことで、九州の全7県を通ったことになります。

鹿児島駅前はオシャレな人がたくさん歩いていて、チェックアウト後のラフな格好で歩いているとすごく浮きます笑
本当は美味しい飲み屋に入って旅の前半を語らいたいけど、明日からハードな山行。この日は早めに眠ります。


4~6日目(8/16~18) 屋久島


今年の夏ツーリングを九州にした最大の理由は、屋久島に行きたかったから!
普通の人は屋久島=縄文杉を思い浮かべると思います。しかし今回の私たちは縄文杉観光だけでなく、屋久島の山に登るのが目的。屋久島には九州最高峰や次鋒を含め高峰が多くあります。また、世界遺産に登録されているように美しい自然も多く、登山者にとって魅力的な場所です。
鹿児島港と宮之浦港を\15,000で往復できる格安ジェット船に乗ります。
屋久島初上陸!今日から2泊3日の予定で、テン泊フル装備山籠りを始めます。


今回のコースは白谷雲水峡から縄文杉を経て宮之浦岳や永田岳に登り、来た道を戻るピストンの予定です。無人小屋のお世話になる予定ですが、満員の可能性もあるためテン泊装備は必要不可欠。
このルートにしたのは、九州から宮之浦港までのジェット船があり、そしてそこから登山口までバスがあるなど、比較的アクセスが容易だから。
それに、直射日光に晒される九州の登山。テン泊装備で山に登ったことも、2泊3日の山行も未経験で不安要素が多くあります。
そういった状況で、帰りは通った道で低リスクになるピストンルートを選びました。


防水仕様のバス車内。屋久島は「1ヶ月で35日雨が降る」とも言われる降水量の非常に多い土地。道路看板にも「24時間雨量250mm以上で通行止」と書いてある。むしろそのくらいの雨量は当たり前かよっ、とツッコミを入れたくなるほど。
島内の電気も大部分が水力発電で賄われているようです。


白谷雲水峡に到着しました。「もののけ姫」のモデルにもなった、美しい森が今回の登山口となります。
3日分の装備を詰め込んだザックはとんでもなく重く、本当に歩ききれるか不安になります。けれど「いよいよ屋久島の自然に足を踏み入れるんだ」と思うと高揚感が込み上げて武者震いする。
ここからは文明のない大自然の中。もう一度気合を入れ直し、monaと2人で森の中へ。


苔むす森。
すべてが緑の世界。

足元の石さえ、綺麗な緑色なんです。


森を進んでいく。
ひんやり涼しい。
癒やし成分に溢れています。


水を飲みたくなったら近くの川で給水、これが屋久島スタイル。
とにかく雨量が多く、そこら中から水が湧いています。森で濾過された天然水は抜群の透明度!綺麗すぎて水棲生物が棲めない程だとか。


 白谷雲水峡を抜け、楠川分かれまできました。縄文杉を目指す日帰りハイカーは荒川登山口からこの場所まで歩くのが一般的なようです。


ここからはトロッコ線路の上を歩いていきます。距離はありますが勾配はほとんどないのでペースを守りながら進みます。


大株歩道入り口。ここから登山道らしい山道になります。休憩や補給を済ませて登っていくと大勢のハイカーとすれ違いました。朝はきっと大渋滞だったんだろうなぁ。
装備は重くなりますが、小屋泊ならばピークの時間とズラして静かな山歩きを楽しめます。


翁杉。落雷で折れてしまった。
屋久島に入ると樹齢数百~数千年の巨大な屋久杉がいくつもあります。年月のスケールがすごい。


ウィルソン株。この写真じゃ大きさが伝わらないですが、切り株の空洞部は10畳ほども広さがあります。ただただ自然の凄みに圧倒されるばかり。


こちらは大王杉。他の杉とは明らかに違う、威風堂々とした雰囲気。近くには女王杉もあります。
ここまでくれば縄文杉まであと少し。そして今日利用予定の高塚小屋があります。
慣れないザックの重さでキツイけれど、頑張って進んでいきます。


夫婦杉。2つの杉が枝で繋がっています。
屋久島には、一般登山道からはアクセス不能な場所にある「隠れ屋久杉」が複数あるとか。

そしてついに...



縄文杉に到着!
今日は樹齢数百~数千年の屋久杉を見てきましたが、この縄文杉は明らかに大きい!保護のため近くに寄ることはできませんが、それでもなお感じるこの大きさ。
決して威圧的ではなく、静かに森を見守っているようです。

この時間だと、日帰りハイカーの姿は一人もなく、ゆっくりと眺めることができました。


縄文杉から10分ほどで高塚小屋に到着です。もし満員だったらテン泊するか、さらに1時間進んだ新高塚小屋へ向かう予定でした。けれどちょうどスペースが空いていたので、今日はここを利用させてもらうことにします。


2013年に建て替えられた高塚小屋は、なんと寄贈品!しかも寄贈したガス会社では、新人研修も兼ねて若手社員が清掃や外壁補修に来ているそうです。
その外壁も、なるべく小屋の中が明るくなるようにと、紙管(紙!)で作られていて、その隙間をシリコンで埋めているらしい。

なんだかすごい小屋だ... このような善意で建てられ、メンテナンスも行われていると知ったら、より一層、大切に利用したいものです。

先客は3グループ6人ほど。収容人数は20人程度なので、窮屈といったことはなく、快適に利用できました。


3日間分の食事と行動食は、なるべく軽量コンパクトにしたい。加えて高温多湿のため、おにぎりやパンは控えたほうが良さそうです。
行動食はほとんどがカロリーメイト、たまにウィダーインゼリー。小屋での食事の時くらいお米が食べたい。そこで、今回初めてアルファ米を導入しました。


気になる味は...かなりイケる!運動した体にちょうどいい濃いめの味付け。なにより温かいものを食べられるありがたさ。
山籠りでの食事に不安がありましたが、これなら問題なさそう。


小屋の正面。森の中の小屋です。右側にテン場があります。
縄文杉から徒歩10分、新築3階建ての素晴らしい無人小屋です。

この日一緒に泊まった人たちともコミュニケーションをとることができました。
学生の2人組は屋久島へ水浴びにきてるとか。「いい川ありました?」と聞かれたときはびっくりした笑 屋久島の水は別格だそう。同感。

今日、宮之浦岳に登ってきたという人たちは、天気が悪く雨が降っていたとのこと。私たちは降られなかったので、標高の高い山の頂上と森のなかでは天気が違うのだろう。

一人で登ってきている青年は焼酎を持ってきていて、彼の計らいでちょっとした野外の宴が始まりました。みんなでお菓子を寄付して、彼のお酒を頂く笑
山にお酒を持っていくとヒーローになれるんですね。

そんな人たちと楽しく会話しているうちに森は暗くなっていく...

日が暮れたら寝るのが山時間。今日は森歩きでしたが、明日は本格的な登山。
翌日に備えて就寝します。


屋久島2日目(8/17) 


たっぷり寝て、まだ暗いうちに目が覚めました。ぼんやりしていると、外がほんの少し明るくなってきました。他の人達も支度を始めたのでそれに倣います。写真は明るく見えるけど、本当はもっと暗い。
星が見えないので恐らく厚い雲に覆われているのでしょう。雨が降らなければいいな...
昨日楽しく話をした人たちと別れの挨拶をして、ヘッドライト装着で出発です。


新高塚小屋まで来ました。宮之浦岳に登ったあとは、ここまで戻ってくる予定です。すなわち今日の寝床。
中は2段ベットになっていて収容人数は60人ほど。広々快適に利用できそうです。

休憩していると...



降ってきてしまいました。屋久島は雨が多いから、仕方ないといえば仕方ない。でもこの雨の中登っても、山頂の眺めは期待できなさそう...
今日はコースタイムにかなりの余裕があるので、暫く様子をみることにします。

小一時間ほどすると雨脚が弱まってきました。これならいけるか?ダメなら引き返せばいいという安心感もあるので、ひとまず先へ進むことにします。


坊主岩。ここらへんまで来ると空が明るくなってきました。まだ雲は厚く目的の山も白く覆われている。でも遥々来た屋久島だもの、眺望なくとも登頂したい!


平石岩屋。このでっかい岩の上に登ることもできます。展望も抜群。

山の様子を見ると...


宮之浦岳だ!しかも雲が払われてる!
まるで「早くおいで」と言っているかのよう。これは行くしかない!


mona「待ってろよ!」


永田岳は雲隠れ。まだお顔を拝見できない。


宮之浦岳・永田岳との三叉路まで来ました。まずは、天候が回復中の宮之浦岳を目指します。


青空だ!宮之浦岳の上りは難しいところもなくグイグイ登っていけます。


九州最高峰・宮之浦岳に登頂!



山頂からの眺め。青空は出ているものの、スカッと晴れているわけではないです。永田岳も見えない。でも天気は回復傾向。

頂上にいた4,5人の先客も天気の回復を待っているようです。


お湯を沸かしてコーヒーを頂く。
一息ついているうちに晴れないかなぁと願い、振り返ると...


シカさんだ!ちょっと、近いよ!
お互い気づいてなくて、シカもビックリ。軽いダッシュで遠ざかっていきました。

これも自然との交流だな~とほっこりした気分になっていると...


おっ!?


永田岳だ!すごい!晴れた!



ここにいる全員が「晴れて良かった~」と思っている。本当に良かった!


撮影を楽しむ。


「登って良かった!晴れて良かった!」


今度は永田岳が「こっちにおいで」と言ってるように思えたので、支度を整えて永田岳に向かいます。


昨日登った人たちは見えなかったと言っていたので、きっとこの眺望はラッキーなのでしょう。私も次に来たとき、今日と同じように良く見えるとは限りません。写真をたくさん撮っておきます。


まだまだ距離はあるなぁ。


沢で水分補給。慣れたもんです。


これが噂の藪漕ぎゾーン...!
登山道じゃないでしょ...


少しずつ近づいてきました。永田岳は丸っこい石(と言ってもすごく大きい巨石)がゴロゴロ。今まで登った山とは違う独特な風景です。


山頂は見えているのになかなか近づかない... しかもmonaに離されていく...
本来なら無理せずマイペースで登りたいところです。

しかし振り返ると...



宮之浦岳が雲に覆われていきます。あのタイミングで登頂できたのはラッキーでした。

けれどその雲はこちらに流れてきています。あの雲が来るより早く登らねば...!

ここからは写真撮影(という名の休憩)を我慢して全力で登っていきます。まるで自転車のヒルクライムレースのように全力で。



そして...


へへへ...

勝ったぜ...!


最高の気分!


宮之浦岳がギリギリ雲を引き止めてくれたようにも見える。さすが屋久島の盟主です。
お陰でゆっくり山頂を楽しむことができました。

朝は景色がないどころか、登頂するかどうか悩みもしましたが、登って大正解でした。
大満足して下山を開始します。


あの一番高い岩の上が山頂です。しがみついてよじ登ります。キツかった...


最後まで晴れて良かった。屋久島の山は地殻変動による隆起で形成されました。そのため、火山活動でつくられた他の山と雰囲気が異なるのでしょう。

天気にも恵まれ、他では得難い景色を楽しめました。


帰り道でもシカに遭遇。普通に登山道近くに現れますが、野生動物なので人間が近づくと離れていきます。


平石岩屋まで戻ってきました。岩の上に登って休憩。


時間もあるし天気もいいので、ちょっと昼寝タイム。


目を覚ますと、目の前に宮之浦岳。奥に黒味岳も見えます。なんて贅沢な目覚めだろう!


永田岳もバッチリ見えます。朝はあんなに曇っていたのに数時間でこの変わりよう。山の天気は変わりやすい。天候回復だけでなく悪化も然りですが。


存分に登山を楽しんだので、眼下の森へ帰っていきます。
森と山の両方を楽しめるのも、屋久島の魅力だと思います。


このあとも雨は降ることなく、新高塚小屋へ。利用者も多くなく、十分な広さを使うことができました。


屋久島3日目(8/18)


この日は屋久島最終日。初日の逆ルートで白谷雲水峡を目指します。帰りのバスやジェット船の乗船時刻があるのでコースタイムを詰めて余裕を作りたいところです。

森で迎える日の出。美しい。


早朝の冷たい空気の中、太陽に照らされて赤く染まる縄文杉... とても、とても神々しい...
あまりの神々しさに息を呑んで、ただただ魅入っている自分に気づく。心奪われるとはこういうことだろうか。

これを見てしまうと、縄文杉を見に行く人には小屋泊を勧めたくなってしまう。そうすれば、早朝の時間を狙うことができる。日帰りよりも時間・体力的に余裕があるし、人の少ない時間にゆっくり眺めることができる。

暫く圧倒されたのち、屋久島登山の完遂目指して気合をいれます。


朝の森を歩く。
この雰囲気がたまらなく好き。


静か。
癒される。


屋久島の苔はとても美しい。
密度が濃いというか、小さくともエネルギーを感じます。
どんなところでも生きていく生命力に溢れている。油断すると自分も苔に覆われそうだ。


ウィルソン株のあたりまで来ると、縄文杉へ向かうハイカーとすれ違うことが多くなってきました。
そういえば他の山と比べて、屋久島に登ってくる人って圧倒的に若い人が多いんですよね。普段の登山だと自分たちがほぼ最若年みたいな感じです。けれど屋久島は、自分たちと同じか、もっと若い人たちが多くて、女性の比率も高いように感じます。
まるで森が若返りの魔法をかけているよう笑


水と緑が美しい。


大株歩道の入り口まできました。下山でヒザに負担がかかってしまったため、長めの休憩を取らせてもらいます。
3日間も山に篭っていると、温かいものを食べられるのがどれだけ有り難いことか...

テン泊装備もジワジワ効いてくる。とはいえ、白谷雲水峡までは一度歩いている道。時間も焦る必要はないので、心に余裕を持って歩くことができそうです。


トロッコ路線歩き。単調でいつまで続くか不安になっちゃう。


最後の登り、辻峠を越える。心身ともに疲労が溜まっているので気分転換にふらっちのサントラを流す。これが森の雰囲気と抜群に相性良い!
がんばって歩こう。

峠を越えればあとはお散歩コース!一気に下って登山口へ!
2泊3日の屋久島登山、無事に下山することができました!楽しかった!


バスもちょうど来たので宮之浦港へワープ。久しぶりに文明を感じる。携帯の電波も入る。

「帰ってきたんだなぁ」という安堵感と、「戻ってきちゃったなぁ」という気持ち。
屋久島の魅力に取り憑かれてしまった。また来ることになりそう!


鹿児島港に到着。

登山後に食べる唐揚げとコーラは最高のご馳走。
3日ぶりのベットでぐっすり就寝...


7日目(8/19) 鹿児島→宮崎→大分


屋久島山籠りを無事に終え、今日からドライブ旅の再開です。
時間はあっという間で、旅も残すところあと2日。旅の終わりを意識しつつ、鹿児島から東回りで北上していきます。

宮崎のTHE・南国!な道。雰囲気があってドライブが楽しい!
気温もグングン上昇してきました。


道の駅・フェニックスで休憩。そういえば今回初めて道の駅に立ち寄ったかも。
観光情報やお土産を仕入れます。あまりにも暑いのでマンゴーソフトで涼を取り、次の目的地へ。


宮崎といえば宮崎地鶏!「地鶏庵 城の平」でお昼にします。
このお店を見つけたのは、もちろんmona。


日本家屋の落ち着いた雰囲気。囲炉裏を囲って炭火焼きをします。
絶対に美味しいお店だ!


優勝...!

こんな美味い肉があるのか...
完全に語彙力を失い、2人とも「美味い!」しか言えなくなりました(実話)。

肉本来の、素材の旨味がギュッと濃縮されています。その旨味が、ひと噛みするごとに溢れ出てくるんです。

今まで美味しいと思って食べていた焼き鳥はなんだったのだろう... 自分の中の「美味しい」が更新された瞬間でした。


チキン南蛮も美味しい!ジューシーで柔らかい!
こっちも絶品ですが、やっぱりオススメは炭火焼き地鶏かな。

あと、お米もすごく美味しいんです。このお店に来るまでも水田がたくさんありました。調べてみると、宮崎県はお米も有名なんですね。農業や放畜業が盛んで、美味しい食べ物がたくさんあるようです。

店主の奥さんとの話も楽しく、2時間近くものんびり寛いでしまいました。また来たい、素敵なお店です。


お店をあとにした私たちは、大分へ向かいます。とは言っても、最短距離で向かうのではつまらない!ちょっと遠回りですが、高千穂峡を経由します。

高千穂峡は、阿蘇の火山活動によってできた、最大深さ100mにもなる断崖が7kmも続く峡谷。古事記や日本書紀に登場する、神話の世界でもあります。

...と書くと俗っぽく聞こえるかもしれませんが、その雰囲気は本物です。


今回は真名井の滝など、いわゆる観光スポットに立ち寄ることはできませんでした。山深くにある、雰囲気のいい場所。次回は、ぜひゆっくりしたい!

さて、今日までmonaと二人で旅をしていましたが、もう一人、九州を旅している友人がいます。彼は自転車ツーリングをしていて、私達とは別行動でした。たまに連絡を取り合って「合流できたらいいね」と言っていたのですが、どうやら合流を果たせそう!

大分へ、ひた走ります!


hiko氏と合流成功!

3人ともそれぞれ住んでいる場所は全く違うのに、遠く離れた九州で再会できることになるとは!
hikoとは、GWに松本でも会っています。お互いそれぞれ日本中を動き回っているのに、不思議と1点に集る(笑)

お互いの旅を、酒を交えて語らう。
一人旅では決してできない、仲間がいるからこその醍醐味。


尽きることのない話題。旨い酒。デカすぎる大分からあげ。

旅人たちの夜は更けていく...


8日目(8/20) 大分→広島→東京


7泊8日の九州旅も今日が最終日。ここからはhikoもクルマに乗って、旅の終着点・広島を目指します。

朝イチで向かったのは十文字原展望台。ここまでの道が思ってた以上に良い!
朝の爽やかな風が気持ちいいです。


展望台からは別府湾と市街地が一望できます。ここからの夜景も見てみたいなぁ。

ここからは高速道路で一気に移動します。


関門海峡を渡る。
いよいよ、九州ともお別れ。

福岡のもつ鍋と博多ラーメン。
佐賀の虹の松原。
長崎の生月島と佐世保バーガー。
大分の別府温泉と唐揚げ。
熊本の阿蘇。
鹿児島の屋久島。
宮崎の地鶏と高千穂峡。

本当に良い九州の旅でした。

けれど、まだ終わっていません。
せっかく西の方まで来たので、ぜひ行ってみたい場所があります。


それは秋吉台!またもや自然の凄みを感じる景色。
日本最大のカルスト台地です。

観光スポットとして良く紹介されていて、前々から訪れたいと思っていました。けれど、美しい写真ばかりが印象にあって、カルスト台地って何?状態。

ビジターセンターでお勉強です。

雨(弱酸性)によって石灰岩が侵食された地形をカルスト地形と呼ぶそうです。
では、その石灰岩とは?
秋吉台の起源は遥か数億年前。赤道にあったサンゴ礁が、海洋プレートの移動と一緒にユーラシア大陸の下に潜り込みます。サンゴ礁は長い年月で石灰岩となり、それが地殻変動によって地上に露出したものだとか。

文章で書くとこれだけですが、とんでもない年月と自然の力による地形なんですね。


秋吉台の中を走る、秋吉台道路も素晴らしい道。
高原っぽい景色の割に標高は200mと低い。思ったより暑いぞ!


展望台から。どこまでも広大。
自然ってすげぇなぁ。


秋吉台の地下にある、秋芳洞へ。

この鍾乳洞ができた経緯も、ビジターセンターで学ぶことができます。

石灰岩に雨水が染み込み、硬い岩盤との間で水が溜まります。溜まった水は川となって流れ石灰岩を侵食し、次第に川は大きくなっていきます。侵食が大きくなりすぎると石灰岩が崩落し、巨大な洞窟となります。

地下100m、総延長8700mにもなる鍾乳洞。これもまた、とんでもない年月をかけて創り上げたんですね。


観光コースは1kmほど。見どころがたくさんあって全く飽きません!
往復してカメラミーティング状態。

それにしても広い!こんな空洞が地下にあるんだ...


千枚田と鍾乳石。鍾乳石は1cm成長するのに70年かかるとも、2000年かかるとも言われています。中には、この高い天井から床まで繋がっている、とんでもなく巨大な鍾乳石もあります。どれだけの年月が必要なのか想像もできない...


鍾乳洞の中はひんやり涼しくて、ちょっと寒いくらい。
幸いカメラの結露はありませんでした。

地上に戻り、この旅最後の観光を終えます。最後の最後まで、自然の凄さを感じる旅でした。

クルマに乗り込み、ここからは一気に広島へ。

終わりが近づくにつれて、子供のように、帰りたくない気持ちでいっぱいになる。

良い旅をすると、無事に終えられた安堵感ののち、すぐにまた旅に出たくなるポジティブなサイクルが生まれます。

そう、この旅は最高だ!


終着点・広島。

広島在住のmonaお薦めのお店で食べる、この旅最後のグルメ、広島風お好み焼き!
こんなに美味しいものがたくさん食べられて、九州も広島も良いイメージばかり残ります。

広島駅まで送ってもらい、8日間共にしたmonaに感謝。
hikoと共に帰りの切符を買う。
こんど広島をゆっくり巡るのもいいなぁ...



屋久島に行きたい!から始まった今年の夏の旅。
阿蘇や秋吉台など、絶対に行っておきたかった場所にも行けました。

一方で、高千穂峡や平尾台、えびの高原など、近くを通りながら立ち寄れなかった場所もあります。また日程の都合でスルーが決まっていた、天草や雲仙普賢岳、桜島など、九州には行ってない場所がたくさん残っています。

旅の計画段階で「九州ってコンパクトだけど立ち寄りたい場所がたくさんあるな」と思いました。それは実際その通りで、クルマやバイクであれば九州を移動するのは比較的簡単です。
コンパクトだけど魅力に溢れている九州。
また、近いうちに訪れたい。


東京行きの新幹線に乗り込み、次の旅はどこへ行こうか、思いを巡らすのであった。

(おわり)